2013年2月1日金曜日

少女小説の名作が待望の復刻。「放課後ライトノベル」第76回は『帝国の娘』で陰謀渦巻く皇位継承争いに!

 先日各地で成人式が行われたが,今年は「ハニカミ王子」ことゴルフの石川哌x手が参加したそうな。一時期は若手の男性スポーツ選手に誰でも彼でも「王子」と付けるのが流行ったものだが,一体誰が最初に言い始めたんでしょうね。  そもそも王子とか皇子という言葉は,王や皇帝の息子,つまりは高貴な人々を指す言葉だったわけだが,バーゲンセールのように乱発されると,そのありがたみも薄れてこようというもの。いっそのこと,ドキドキで壊れそうな1000%LOVEな王子とかだったら,ただの王子よりよほど愉快だと思うのは筆者だけだろうか。キスよりすごい音楽って本当にあるんだよ?  だが,ugg ムートン,ハニカミ王子とかうたの☆プリンスさまっ?とか言われているうちはまだいい。そうではなく,ある日突然にリアル王子にさせられてしまったら? しかもその当人が,男ですらなかったら? 今回の「」ではそんな,唐突に皇子の身代わりにされた少女の,波乱に満ちた生き様を描いた,須賀しのぶの『帝国の娘』を紹介する。 『帝国の娘 上』 著者:須賀しのぶ 出版社/レーベル:角川書店/角川文庫 価格:580円(税込) ISBN:978-4-04-394485-9 『帝国の娘 下』 著者:須賀しのぶ 出版社/レーベル:角川書店/角川文庫 価格:700円(税込) ISBN:978-4-04-394484-2 ●平凡な村娘から皇子の影武者へ,Diablo 3 Gold。運命は怒涛のように  中央の皇帝直轄領と4つの公国からなるルトヴィア帝国。その北部を占めるゼカロ北公国の枺O国ユリ?スカナとの国境近い山中の村で両親と共に暮らしていたカリエは,ある日突然やってきた貴族の男に誘拐される。ゼカロ公の使者であるその男エディアルドの目的は,カリエをゼカロ公の息子にして皇子,アルゼウスの身代わりに仕立て上げることだった。  ルトヴィアでは,次期皇帝を目指す皇子は14歳までに皇子の教育施設であるカデーレ宮に移り住んでいなければならないという決まりがあった。だが,肝心のアルゼウスは病のため,皇位などとても望めない。それでも息子を皇帝にと望むゼカロ公は,少女でありながら外見はアルゼウスと瓜二つのカリエを影武者にすることにしたのだった。  いきなり両親と引き離された悲しみ,決して逆らうことのできない貴族への恐怖,縁もゆかりもない皇子の身代わりにならなければならないという理不尽さ。自らに降ってきたあまりの困難に,カリエは怒り,嘆き,絶望する
関連トピック記事:

0 件のコメント:

コメントを投稿